世間が畏怖と好奇を込めて呼ぶ「文春砲」。その精密無比な着弾精度の根底には、かつて編集長を務めた新谷学氏が徹底して叩き込んだ取材哲学が息づいている。それは「親しき仲にもスキャンダル」「ターゲットには必ず直撃して言い分を聞く」という極めて泥臭く、かつフェアなジャーナリズムの精神だ。
デスクと記者が二人三脚で対象者を何日も張り込み、ゴミ箱を漁り、周辺人物の証言を何重にもクロスチェックする。憶測で書くことは絶対に許されない。裁判での勝訴までを見越した鉄壁の証拠集めこそが、名うての調査報道を成立させている生命線である。他メディアの後追い記事が束になっても敵わない強固なファクトの砦が、ここにある。