「人生の扉」は、2007年5月23日にリリースされた竹内まりや通算10作目のオリジナルアルバム『Denim』に収録された楽曲です。オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得し、当時の「女性アーティスト最年長1位獲得記録」を樹立した同作において、本作はまさにアルバム全体の精神的支柱となるハイライトでした。
当時、50歳という大きな節目を迎えていた竹内まりやは、公のインタビューや手記において「女性にとって50代を迎えることは、肉体的な変化だけでなく、親の介護や自身の老い、子どもたちの独立など、様々な人生の重みが一気に押し寄せる時期」と語っています。かつて高校時代に米国イリノイ州へ留学(AFS交換留学)し、英語のニュアンスに深い素養を持つ彼女だからこそ、日本語特有の情緒的な無常観と、欧米的なストレートな自己肯定感を絶妙に融合させることが可能でした。
アレンジとプロデュースを手掛けた夫・山下達郎による緻密な音作りも見逃せません。アコースティックギターを中心としたオーガニックなバンドサウンドと、センチメンタリズムに溺れさせない凛としたボーカルミックスが施され、協和発酵(現・協和キリン)や資生堂「IN&ON」などの大型CMソングとしても起用。テレビ画面を通じて全国のお茶の間に届けられ、爆発的な共感を呼び起こしました。