妊活中や不妊治療中の女性にとって、子宮内膜ポリープは見逃せない最大の阻害要因の一つです。ポリープが存在することで引き起こされるのが受精卵の着床障害です。
ポリープが子宮内腔に突出すると、物理的に受精卵が潜り込むスペースを邪魔するだけでなく、ポリープ周囲の内膜で微弱な慢性炎症が持続します。この炎症反応によって受精卵を受け入れる免疫環境が乱れ、子宮内の着床環境が著しく悪化します。さらに、卵管の入り口(卵管口)付近にポリープがある場合は、精子の遡上や受精卵の輸送自体を物理的にブロックしてしまうケースもあります。
生殖医療における臨床比較試験では、ポリープ切除が妊娠率に劇的な差をもたらすことが証明されています。原因不明不妊の女性を対象とした追跡研究において、ポリープを子宮鏡下で切除したグループは、切除せず経過観察したグループと比較して、その後の自然妊娠率および人工授精での妊娠率が約2倍(切除群:約50〜60% vs 非切除群:約25〜30%)に向上したというデータが示されています。
高額な体外受精(ART)へステップアップする前にも、子宮環境を整える「着床不全対策」としてポリープ切除を先行させることが標準的な治療戦略となっています。