語感が似ているため混同されやすいのが、全国的に使われることわざ「年寄りの冷や水」です。両者は一体どこが違うのでしょうか。
「年寄りの冷や水」は、高齢者が自分の体力や年齢の衰えを過信し、若者と同じように無茶をして体を壊す危険を戒める言葉です。医学が発達していなかった昔、井戸から汲みたての冷たい水をそのまま飲むことは体に負担をかけるとされていたことに由来します。ここでの焦点は「年齢・体力の限界を無視した無謀さ」にあります。
一方、「ずくなしの冷や水」の焦点は年齢ではありません。主眼はあくまで「日頃の怠惰さと、突発的な行動のアンバランスさ」です。
若者であっても、普段まったく運動しない人が急に思い立ってフルマラソンに挑戦し、案の定足を痛めて寝込むような状況であれば「ずくなしの冷や水」が見事に当てはまります。対象者の属性ではなく、「行動の動機と普段の生活態度のギャップ」を突いている点が決定的な違いと言えます。