この名店の基盤を築き上げたのが、創業者である田村勝弘氏だ。彼のラーメンづくりに対する姿勢は、職人というよりむしろ修道士に近い。妥協を一切許さず、毎日その日の気温や湿度に合わせて粉の配合と水分量を微調整する。
田村勝弘氏の代名詞とも言えるのが、太い竹に体重をかけて生地を極限まで延ばす青竹手打ち麺の技法だ。竹の弾力を利用して空気を抱き込ませながら練り上げられた生地は、切り出された瞬間に独特の縮れと気泡を持つ。機械製麺では決して再現できないこの不均一さこそが、スープを絶妙に絡め取り、口の中で跳ねるような唯一無二の食感を生む。手打ちラーメンの神髄が、ここにある。