エンターテインメントの世界では、極道カルチャーは今なお根強い人気を誇る。北野武監督の映画『アウトレイジ』シリーズや、長寿ヒットを記録する任侠ドラマ『日本統一』は、裏社会の権力抗争や掟のドラマをスリリングに描き出し、多くの視聴者を惹きつけてやまない。NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスでも、日本のヤクザを題材にしたクライムサスペンスは国内外で高い再生数を叩き出す。
だが、スクリーン上のフィクションと、現実の地下社会との間には埋めようのない深淵が存在する。ドラマのように義理人情で散っていく美学などはどこにもない。そこにあるのは、暴排条例によって家族の生活基盤まで奪われ、組織を離脱しても5年間は社会復帰が極めて困難という「元暴5年条項」の重い足枷だ。フィクションが消費される一方で、現実の構成員たちは出口のない閉塞感にあえいでいる。