こうした色彩表現の最前線が最もダイナミックに躍動しているのが、近年のアニメーションおよび映像制作業界である。その決定的なパラダイムシフトとなったのが、劇場用アニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』だ。アメコミの印刷擦れやハーフトーンをCG空間に極彩色のまま落とし込んだ映像美は、世界中の観客に雷鳴のような衝撃を与えた。
その革新の波は配信プラットフォームへと波及する。Netflixで世界的な熱狂を巻き起こした『サイバーパンク エッジランナーズ』は、画面全体を灼熱の黄色やショッキングピンクで埋め尽くし、登場人物の破滅的な疾走感を圧倒的な色彩強度で描き切った。彩度を極限まで引き上げる演出は、キャラクターの狂気や切実な感情を何倍にも増幅して観客の胸を撃ち抜く。刺激的な映像表現を求めるストリーミング時代の視聴者は、まさにこうした尖った色彩の快楽に熱狂している。