国立国語研究所によるコーパス分析や、日本語検定協会が実施する意識調査の結果を見ると、現代人が特に誤りやすい「魔のゾーン」が浮き彫りになってくる。
最も誤用が多発しているのが、「ハードルをこえる」と「危機をこえる」の表記だ。「ハードル」を障害物と捉えれば「越える」が正解だが、設定された目標値(基準)とみなして「超える」と書いてしまう誤記が多発している。また、「危機を乗り越える」の文脈で「超える」を使ってしまうケアレスミスも後を絶たない。
日本語検定協会が推奨する誤用回避の最新テクニックは、「打ち消し文」や「別の表現」への置換テストだ。
「〇〇に達しない」と言い換えられる場合は「超える」(例:100人に達しない=100人を超えない)。「〇〇を通過できない」と言い換えられる場合は「越える」(例:山を通過できない=山を越えられない)。この簡単な機械的テストを行うだけで、誤用率は劇的に低下する。