『AinoArika』を唯一無二の楽曲たらしめている最大の要因は、八乙女光自らが書き下ろしたラップパートにある。当時、グループ内でのラップといえばリズミカルなアクセントとしての役割が主流だった。しかし、本作で彼が提示したのは、物語の根幹を揺さぶるエモーショナルなポエトリーリーディングに近い独白だった。
八乙女光がノートに書き殴った言葉たち――「見えない糸」「胸の奥に潜む影」。そこには、不器用で格好悪くとも、ただ一人の存在のために運命へと立ち向かう人間の生々しい祈りが込められていた。華やかなメロディの裏に潜む泥臭い情熱。彼が込めたリリックの真意は、単なる劇中歌の枠を超え、Hey! Say! JUMPというグループが抱えていた「表現者としての脱皮」への渇望そのものだった。