映像作品としての競馬がこれほどまでに迫力を持つ最大の理由は、現場のロケーションと本物の競走馬が持つ威圧感にある。日本中央競馬会(JRA)による全面的な取材協力や撮影許可が下りることで、実際のトレーニングセンターや普段は立ち入れない厩舎地区、さらには大歓声に包まれる本番のコースでの撮影が可能となった。
1頭のサラブレッドを育成するために費やされる莫大な資金と人手、そして血統を繋ぐための知恵。こうした競馬産業全体の構造が精巧にドラマの背景へと組み込まれることで、嘘のないリアリティが立ち現れる。馬の吐息一つ、ジョッキーの手綱さばき一つに宿る本物の緊張感が、画面越しに観客の息をのませるのだ。