旧態的な業界秩序の象徴であった大手プロダクションの支配力も、崩壊の一途をたどっている。長年にわたり男性アイドルの市場を独占してきた旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)は、組織の再編と過去の問題への対応を余儀なくされ、所属タレントの相次ぐ独立や契約形態の多様化に直面した。テレビ局に対する絶大な圧力や「忖度」によって維持されていた排的なシステムは、今や機能していない。
一方で、お笑い界を牽引してきた吉本興業もまた無風ではいられない。所属芸人の独立ラッシュやエージェント契約への移行、SNSを通じたタレント個人の情報発信によって、事務所がタレントのキャリアを一元管理する時代は終わりを迎えた。独占的なパワーを失った大手プロダクションの弱体化は、従来のテレビキャスティングの仕組みを根底から揺さぶっている。