『ダイヤのA act2』における最大の核は、主人公・沢村栄純のエースへの脱皮だ。イップスという絶望的な苦痛を経験し、チェンジアップをはじめとするナンバーズ(多種多様な変化球)を泥臭く習得。苦闘の果てに手に入れた「背番号1」の重みは、決して軽いものではなかった。
大会中のプレッシャーや自己との葛藤を乗り越え、決勝の土壇場でマウンドに立った沢村の目には、微かな迷いすら消えていた。インコースを強気に突く心臓の強さ、キャッチャーのミットだけを見つめる集中力。ピンチの場面で見せた気迫溢れるピッチングは、もはや「青道の大黒柱」として誰もが認める威厳に満ちていた。彼が投じた一球一球が、グラウンドのナインを、そしてスタンド全体を強く鼓舞し続けたのだ。