従来のスタジオシステムに縛られない創作環境を求め、世界的な映画監督たちが次々とこのプラットフォームへ合流している。カンヌ国際映画祭の常連である是枝裕和監督が手がけるオリジナルシリーズは、日本発のストーリーテリングをグローバル水準へと引き上げる試みとして業界内外から熱い視線を浴びた。繊細な人間描写と緻密な演出が、巨大資本のバックアップを得ることでいかなる広がりを見せるのか。その回答が作品群に克明に刻まれている。
一方、映像美学の極北を走るデヴィッド・フィンチャーは、初期のシリーズ立ち上げから近年の長編映画に至るまで、同社と極めて強固なパートナーシップを築いてきた。ディテールへの病的なまでのこだわりと妥協なきカラーグレーディング、そして冷徹な人間観察。劇場公開という興行リスクから解放された巨匠たちが、自らの作家性を極限まで純化させる場としてストリーミングを選択している事実は極めて興味深い。