古い街並みと学生街の活気が同居する京都府京都市右京区西院。阪急西院駅から少し歩を進めると見えてくる赤と黄色の看板こそ、数多の腹ペコたちの聖地である中国菜館 龍亀だ。モダンで洗練された高級中華とは対極に位置する、いわゆる昔ながらの町中華。だが、その一言で片付けるにはあまりに濃厚な歴史と熱量が宿っている。
長引く原材料高や人手不足によって、外食・フードサービス産業全体が大きな転換期を迎えている。タッチパネル注文やセントラルキッチンによる合理化が進む中、ここはどこまでも手作りにこだわり、客の顔を見て鍋を振る。昭和から続くその実直なスタイルこそが、めまぐるしい日常に疲れた現代人の琴線に触れてやまない。