現在の映画産業は、かつてないインフレと制作費の高騰に直面している。一本の大作を製作するために数十億円が動く現場では、リスクを最小限に抑えることが至上命題となる。
スタジオ側にとって、2世タレントの起用は一種のブランド・ヘッジでもある。幼少期から映画や演劇の制作環境に身を置き、メディア対応やカメラ前の立ち振る舞いを無意識に体得しているアドバンテージは、現場の進行スピードを重視する監督たちにとって魅力的に映る。しかし、それは安全策であると同時に、既視感を嫌う映画ファンからの反発を招くリスクと常に隣り合わせだ。