越前市の肉シーンを語る上で外せないのが、福井が誇る銘柄牛「若狭牛」だ。日本食肉格付協会が定める基準において、4等級以上の肉質等級を獲得したものだけがその名を冠することを許される。きめ細やかなサシと、人肌で溶け出す上質な脂の融点の低さは、ひと口頬張るだけで明確な違いを舌に伝えてくる。
仕入れルートに妥協しない名店では、サシの美しさだけでなく赤身の旨味の深さに着目して一頭買いを行う。脂っこさは皆無。噛みしめるほどに赤身本来の濃厚な風味が口いっぱいに広がり、思わず唸る。これが本物の若狭牛が持つ底力だ。