マスタングのエンブレムは、銀幕の歴史とも深く結びついている。1968年の映画『ブリット』でスティーブ・マックィーンが操ったハイランドグリーンの車体は、エンブレムすらあえて外した漆黒のグリルでサンフランシスコの坂道を飛び跳ね、カーチェイスの金字塔を打ち立てた。
さらに近年では、アカデミー賞を受賞した映画『フォードvsフェラーリ』や、Netflixで配信されるモータースポーツのドキュメンタリーを通じて、マスタングのDNAは若いデジタル世代へと再燃している。画面越しに響くV8エンジンの轟音と、一瞬映し出されるポニーバッジ。時代がストリーミングへと移り変わっても、そのアイコンが放つ色香は少しも褪せていない。