湯西川の清流を見下ろす地に立つ当館の最新滞在スタイルは、まさに五感を揺さぶる劇的な体験の連続だ。館内全体を包む古民家古材と骨董美術品の数々は、本物の武家屋敷から移築・収集されたもの。ハリボテのテーマパークとは一線を画す重厚さが漂う。
夕餉の時間を迎えると、食事処には炭火が赤々と熾る。名物の囲炉裏会席だ。竹べらに練り付けられた秘伝のばんだい餅、じっくりと遠火で焼き上げられる川魚、そして野趣あふれるジビエや地場野菜。パチパチと爆ぜる炭の音を聞きながら地酒を傾ける贅沢は、他所では決して味わえない。密やかに語り継がれた狩人の知恵が、皿の上で鮮やかに息を吹き返す。
そして露天風呂。渓流の瀬音と澄み切った山の空気に包まれる湯処は、肌になめらかな自家源泉が絶え間なく注がれる。湯煙の向こうに広がる原生林は、昼と夜でまったく異なる表情を見せる。都会の時計を忘れ、ただ湯の温もりに身を浸す至福の瞬間がここにある。