日本史・歴史学の視点からこの表記を追うと、平安時代の律令制官職に行き着く。宮城の門を警護する部署として「左衛門府(さえもんふ)」と「右衛門府(うえもんふ)」が設置されていた。左右対となる警護部門であり、右側の陣営を守る役職が「右衛門」だったのだ。
言語学・日本語学の研究が示す通り、「右」という漢字には音読みで「ウ」という読みが存在する。したがって「右衛門」は「う+えもん」の組み合わせであり、漢字の音読みをベースにした伝統的な表現にほかならない。やがて武士や庶民が権威や格式を求めて自らの名前に官職名を取り入れる通称(百官名)が流行し、個人の名前に「〜右衛門」と添える文化が全国へ広まっていった。