講談社の「モーニング」で連載され大ヒットを記録した『働きマン』は、それまでの仕事モノ作品の常識を覆した。「男スイッチ」が入ると寝食を忘れて取材に没頭する編集者・松方弘子の苦悩と奮闘は、働くすべての人々の心を強烈に穿った。仕事における達成感と、プライベートを削る喪失感。その板挟みで揺れる人間のドラマは、リアルな取材力に裏打ちされている。
また、90年代に爆発的なムーブメントを起こした『ハッピー・マニア』のインパクトも忘れてはならない。愛を求めて猪突猛進する主人公・重田カヨコの破天荒な暴走は、従来の女性漫画における「おしとやかなヒロイン像」を根底から解体した。
自我を解き放ち、愚かさも含めて肯定する。これらの作品群は女性漫画の可能性を大きく広げ、自立と迷いを抱える現代女性のバイブルとして機能し続けているのだ。