長らく老朽化や耐震性が課題視されてきた古い木造アパートだが、不動産業を取り巻く潮目は大きく変化している。背景にあるのは、深刻化する空き家問題と、国を挙げた既存住宅流通の促進策だ。
国土交通省は、良質な既存住宅の維持管理やリノベーションによる流通促進を柱とするガイドラインを強化している。解体費用をかけて更地にするよりも、耐震補強や断熱改修を施して再利用する方が、環境負荷やコスト面で合理的であるという認識が広がっているためだ。
この流れを受け、住宅情報大手のSUUMOなどのポータルサイトでも、「レトロ賃貸」「リノベ済み文化住宅」といった特設カテゴリや検索タグが目立つようになった。かつては検索条件から外されがちだった築古物件が、今や「個性的な優良物件」として上位にランクインする現象すら起きている。