現代のスマートフォン環境では、文字コードの国際標準化を担うユニコードコンソーシアムの尽力により、世界中どんな端末でも共通のカラー絵文字が表示されるようになった。その普及ぶりはハリウッドで『絵文字の国のジーン』のようなアニメーション映画が制作されるほど世界的なカルチャーとして定着している。
しかし、規格化された完璧な絵文字が日常に満ち溢れたからこそ、あえて不均一でアナログ感のある記号の組み合わせが新鮮に映るという現象が起きている。固定された単一のアイコン画像では表現しきれない「壁の存在」や「影に隠れるニュアンス」は、記号の配置と空欄のバランスによってのみ立ち現れるからだ。
記号と記号の隙間に文脈を託す自由度こそが、標準化された絵文字に対するカウンターとして、若い世代の表現意欲を刺激し続けている。