現代の裏社会を取り巻く環境は、かつての常識が一切通用しない過酷なものだ。官民を挙げた反社会的勢力対策は、銀行口座の開設拒絶、不動産賃貸契約の遮断、さらには冠婚葬祭の利用制限にまで及ぶ。構成員であること自体が、社会的な死を意味する時代になった。
かつて巨額の資金を生み出した恐喝、みかじめ料の徴収、公共工事への介入といった伝統的な収益源は完全に封殺された。結果として生じているのは、暗号資産の不正流用、サイバー犯罪、海外拠点を活用した不法ビジネスへのシフトである。だが、これらは警察の摘発リスクを跳ね上げる諸刃の剣でもある。新体制の首脳陣は、締め付けに苦しむ下部組織が暴走しないよう、綱渡りの組織管理を強いられている。