日本のテレビドラマ史において、ひときわ鮮烈な爪痕を残したのがTBSテレビ制作の『中学聖日記』だ。有村架純が演じた女性教師・末永聖と、当時無名の新人だった水上恒司(旧・岡田健史)演じる男子中学生・黒岩晶。社会的な倫理と純粋すぎる恋心の間で引き裂かれるふたりの姿は、放送当時大きな議論を巻き起こした。
なかでも夕暮れの駅のホームや、波音だけが響く砂浜で交わされたキスは、言葉を失うほどの映像美を誇った。制作関係者によれば、有村架純は相手役の水上恒司が持つ初々しさと剥き出しの緊張感を壊さぬよう、現場ではあえて過剰なリードをせず、役としての戸惑いをそのままカメラの前に晒したという。罪悪感に震えながらも抗えない愛の衝動を受け止める彼女の表情は、女優としてのスケールを一段押し上げた。