彼女の名が広く知れ渡る契機となったのは、過去の草加市議会議員選挙における常軌を逸した動きだった。伝統的な街頭演説やポスター掲示といった選挙運動のあり方をあざ笑うかのように、ネット上での奇抜な言動をテコにした知名度獲得作戦を展開。当時の有権者に残した強烈な違和感は、今なお消えていない。
本来、インターネット選挙運動は候補者の政策や理念を広く市民に届けるためのツールとして解禁されたはずだった。ところが現実には、過激なアテンション(注目)を獲得した者が勝ち残るゲームへと堕落しかねない危うさを孕んでいる。山本深雪の軌跡は、その最も極端な歪みを象徴していると言わざるを得ない。
地方自治体の選挙現場では、こうした煽情的な戦術にどう立ち向かうべきか、明確な答えを持たないまま混迷を深めている。