有名な観光地へ足を運んだものの、インバウンドの混雑や修学旅行生の人波に圧倒され、かえって疲れてしまったという経験を持つ旅人は多いはずです。現在、感度の高い一人旅愛好家の間で圧倒的な支持を集めているのが、「観光名所の隣にある静かな街」や「鉄道の終着駅の先にある小集落」といった穴場スポットです。
その筆頭として注目を集めているのが、滋賀県の長浜・木之本エリアや、岡山県の牛窓(うしまど)です。たとえば長浜の旧北国街道沿いは、歴史ある黒漆喰の町並みが美しく残りながらも、大型観光地のような過密さがありません。地元のクラフトビール醸造所や老舗の茶舗が落ち着いた佇まいを見せ、店主との心地よい距離感の会話も楽しめます。
これらの穴場が選ばれる決定的な理由は、「自分だけの時間に対する没入感」にあります。誰にも邪魔されずに風景を眺め、波の音や鳥のさえずりに耳を澄ます時間は、情報過多な生活を送る現代人にとって最大の贅沢。派手なアトラクションはなくとも、ただそこに身を置くだけで心が解き放たれる体験こそが、目の肥えた旅行者を惹きつけてやみません。