「みさき」という言葉の響きには、実は日本人の深い信仰心が隠されている。東京・神田の神社のみならず、神奈川県三浦半島の港町・三崎に鎮座する海南神社をはじめ、日本全国の沿岸部や岬(みさき)には数多くの神社が存在する。「岬」はかつて、海と陸、異界と現世が接する神聖な境目であり、神々が降臨する場所と考えられていた。
都市のビル群のなかに咲く神域もまた、雑踏と神聖な世界が交差する「境界」であることに変わりはない。海辺の風を感じさせるような澄んだ空気が境内を満たしているのは、そうした古代からの「みさき信仰」のDNAが、形を変えて現代都市に息づいているからかもしれない。