1985年の発売当初、エア ジョーダン 1はバスケットボールシューズとして開発されました。しかし、デザイナーのピーター・ムーアが手掛けたシャープで完成されたアッパーデザインは、競技用シューズの枠を早々に飛び越えました。
人気の火種となったのは、ナイキによるセンセーショナルなマーケティング戦略です。「NBAはジョーダンがこのシューズを履くことを禁じたが、君たちが履くことを禁じることはできない」というメッセージとともに打ち出されたCMは、若者たちの反骨心と所有欲を強烈に刺激しました。
さらに1980年代後半には、セール価格で投げ売りされていた頑丈なレザー製AJ1をスケートボーダーたちが愛用し始めたことで、スケートカルチャーやヒップホップなどのアンダーグラウンドシーンに浸透。スポーツの英雄のアイコンでありながら、ストリートカルチャーの原点としての文脈を宿したことが、40年以上経っても価値が失われない根本的な要因です。