彼らの真骨頂は、何と言ってもEDMをはじめとする現代的なダンスミュージックを取り入れた歌ネタにある。ステージ上で淡路がリアルタイムにパッドを叩いてビートを刻み、大津がハイテンションなボーカルとキレのあるダンスで客席を煽る。その空間は、お笑いライブの域を超え、まるで大規模なクラブや音楽フェスのメインステージのような熱狂を生み出す。
従来のお笑い界における音ネタコントは、あらかじめ録音された音源に合わせて演じる形式が一般的だった。しかし、きつねはライブ感と即興性をどこまでも追求する。音と掛け合いのタイミングがわずか数ミリ秒ズレるだけで笑いの強度が変わることを熟知しており、その音響操作と間(ま)の取り方はプロミュージシャン顔負けの精度を誇る。お笑いファンのみならず、音楽フリークをも唸らせる革新性がここにある。