えなりかずきと渡鬼の確執劇、国民的ドラマが秘めた共演拒否の真相の要点や背景を丁寧にまとめました。全体像を一目で把握できます。

この抜き差しならない対立劇の渦中にあって、舵取りを迫られたのが脚本家の橋田壽賀子とプロデューサーの石井ふく子という黄金コンビだった。橋田は役者同士の生々しい感情の軋轢をも冷徹に見つめ、それを逆手に取るかのように物語へと反映させるリアリズムを貫いた。役者が揃わないなら、揃わないなりの家族の距離を描く。その徹底した脚本術は凄みすら漂わせていた。

一方、現場の母としてキャストとスタッフを束ね続けた石井ふく子は、制作現場の調和を維持するために奔走した。個性の強すぎる名優たちがぶつかり合う現場で、誰一人として排除することなく作品の看板を守り抜いた手腕は職人芸の極みと言える。二人の巨頭が築き上げた厳格な規律と情熱があったからこそ、数々の内部摩擦を抱えながらもシリーズは国民的長寿番組としての威厳を失わずに完走できたのだ。