インターネット上の掲示板やSNSでは、防犯カメラに関する誤った知識や過度なコスト削減策が散見される。現場の防犯実務と乖離した代表的な誤解を是正しておきたい。
誤解①:「安価なダミーカメラで十分威嚇できる」
これは極めて危険な思い込みである。プロの空き巣や侵入窃盗グループは、本物とダミーの識別訓練を受けている。プラスチックの質感、実機の作動ランプとは異なる不自然に点滅する赤色LED、配線の処理状態などから、ダミーであることは容易に見破られる。むしろ「ダミーを置いている=本物のセキュリティを導入する予算や防犯意識が甘い家」と判断され、格好の標的として狙われる逆効果を生むケースが報告されている。
誤解②:「超広角レンズのカメラ1台で敷地全体をカバーすれば安心」
180度近い視野角を持つパノラマカメラは、広範囲を一望できる反面、周辺部の光学的な歪みが大きく、被写体が豆粒のように小さく記録される。結果として「不審者が敷地に入ったこと」は分かっても、顔のパーツや車両のナンバープレートなどの決定的証拠を判読できない。広角カメラで全体動線を捉えつつ、重要な通過点(門扉や玄関前)には標準画角のカメラを向ける「役割分担」が防犯設計の基本である。