成人が自身の名前を一人称として使い続ける背景には、成育歴と家庭内コミュニケーションが決定的な影響を及ぼします。ガンバレルーヤまひるの生い立ちを紐解くと、そこには3つの明確な要因が存在します。
第1の要因は、鳥取県大山町での愛情豊かな家庭環境と家族構成です。実家の家族構成は父、母、兄、まひる、弟の5人家族(祖父母も含めた大家族的な環境)。地元メディアやインタビューで語られたところによると、家庭内では常に末っ子的なポジションとして無償の愛情を注がれ、家族全員から「まひる」「まーちゃん」と愛称で呼ばれ続けてきました。幼少期の自己認識が完全に肯定された空間で育ったため、自身を名前で呼ぶ言語習慣にネガティブなフィードバックを受ける機会がそもそもありませんでした。
第2の要因は、体育会系スポーツでの規律と家庭内での甘えの棲み分けです。まひるは小学校時代から野球を始め、中学では男子に混ざって野球部に所属。高校時代は強豪ソフトボール部でキャプテンを務め、全国ベスト16の実績を誇ります。グラウンド上では「自分」「私」といった公の一人称や厳しい上下関係を叩き込まれながらも、一歩家庭や気を許した仲間の輪に戻ると、反動として本来の甘えや無垢さをさらけ出せる「まひる」に戻るという、極端なオン・オフの切り替えが身についていたのです。
第3の要因は、憧れを追って飛び込んだ芸人界における「矯正タイミングの喪失」です。同郷の星であるイモトアヤコに憧れてお笑いの世界に飛び込んだ彼女は、上京後すぐにブレイク街道を走ることになりました。通常、一般企業などで矯正されるはずの一人称が、エンターテインメントの世界ではむしろ「飾らない愛らしさ」という強力な武器として受け入れられたため、大人の一人称へ移行する契機を持たないまま現在に至っています。