文筆家・音楽家として多才な活躍を見せる星野源もまた、初期のキャリアにおいて深刻な不安やパニック症状と格闘した経験を持つ。彼の初期エッセイ集『そして生活はつづく』には、思い通りにならない日常や情けない自分自身の姿が、ユーモアと哀愁を交えて克明に綴られている。星野のアプローチは、苦痛をドラマチックに美化するのではなく、日々の生活の些細な営みの中に引き戻すことだった。不調を抱えたままでも日々の営みは続いていくというフラットな視点は、救いを求める読者に寄り添う確かな力となった。
また、アイドルグループの活動休止を経てソロアーティストとして新たな一歩を踏み出した岩橋玄樹の決断は、若い世代におけるメンタルヘルスの捉え方に大きな一石を投じた。自らの状態を隠して期待に応え続けるのではなく、療養に専念するために立ち止まる勇気を選択した彼の姿は、旧来の「我慢の美徳」を覆すものだった。復帰後、自らの体験をオープンに共有しながらファンと対話を重ねる彼のスタイルは、弱さを開示することが新たな強さへと昇華し得ることを証明している。