横浜・野毛町が呑兵衛を狂わせる!路地裏と進化系はしご酒の全貌の基本情報から最新動向までを徹底的にカバーしました。

初めてこの街の門を叩く者は、その圧倒的な店数とディープな佇まいに気圧されがちだ。しかし、いくつかの作法と黄金ルートさえ把握しておけば、野毛の夜は何倍も濃密になる。基本の鉄則は「1軒に長居しすぎないこと」。2杯と小鉢を数品つまんだら、スマートに席を譲り次へ流れる——これこそが粋なはしご酒の流儀だ。

まずは夕方16時台、昭和風情を色濃く残す老舗の大衆酒場で口火を切るのが地元通の定石だ。酒場詩人・吉田類が愛したような年季の入ったコの字カウンターで、名物の塩煮込みや焼き鳥をホッピーで流し込む。あるいは、ドラマ『孤独のグルメ』で井之頭五郎が唸ったような、看板のない隠れ家的な小料理屋に飛び込み、職人気質な店主が手掛ける逸品に舌鼓を打つのもいい。

ウォーミングアップを終えたら、大岡川沿いにカーブを描く異形の飲み屋長屋「都橋商店街」へ向かう。わずか数坪の小箱が連なるこのハーモニカ横丁で、店主や隣の客と肩を寄せ合いながらクラフトジンや自然派ワインを傾ける。老舗の重厚さと、新世代が仕掛けるネオ居酒屋やクラフトビールバーの軽やかさを行き来する。この新旧のコントラストを味わい尽くすルートこそ、迷宮攻略の核心だ。