芸能ゴシップやネット記事では今なお煽情的な見出しが踊ることがありますが、現場の実態を取材すると、世間一般に定着しているイメージと現実との間にはいくつかの大きなギャップが存在します。
第一の誤解は、「退所したら古巣の楽曲は二度と歌えない」という権利関係の思い込みです。実際には、楽曲の著作権および著作隣接権はJASRACなどの著作権等管理事業者に信託されているため、正当な利用料を支払い、正当な手続きを経れば、退所したタレントが過去のグループ曲を歌唱することは法的に可能です。事実、ディナーショーやソロライブにおいて、自身が過去に参加した名曲をセルフカバーする事例は珍しくなくなっています。もちろん、グループ名そのものの商標権やオリジナル音源の使用にはクリアすべき条件がありますが、楽曲そのものが「封印」されるわけではありません。
第二の誤解は、「古巣に残ったタレントと退所タレントの間にある確執」です。週刊誌などで「絶縁」「裏切り」といった刺激的な言葉が使われがちですが、当人たちの関係性はむしろ以前よりもフランクになっています。二宮和也さんと独立した岡田准一さん、あるいはTOBEの平野紫耀さんたちが、公の場やSNSの投稿で互いにエールを送り合う様子は、彼らの絆が「同じ事務所にいるから」生まれたのではなく、過酷なエンタメ界を共に生き抜いてきた「表現者同士のリスペクト」に基づいていることを証明しています。
かつて芸能界を縛っていた「辞めジャニへの圧力」「メディアによる忖度」は、公正取引委員会の注視や国際的な人権基準の導入により、完全に機能不全に陥りました。「辞めジャニ」という呼称自体がすでに形骸化し、一人のプロフェッショナルなタレントとして市場価値が評価されるフェーズに入っています。