外では責任ある役職に就き、冷静沈着にリーダーシップを発揮している男性ほど、自室で彼女と2人きりになった途端に舌っ足らずな口調へ変化する事例は珍しくありません。このギャップに戸惑う女性も多いですが、赤ちゃん言葉を使う彼氏の男性心理の根底にあるのは、「完璧な鎧を脱ぎ捨てたい」という切実な安心欲求です。
精神分析や恋愛心理学では、これを恋愛心理学における幼児退行現象と呼びます。社会的な評価、競争、プレッシャーに晒され続ける男性は、無意識のうちに「無条件で受け入れられていた乳幼児期の全能感と安らぎ」を求めます。目の前のパートナーを絶対的な「安全基地」として認識した瞬間、緊張の糸が解け、言語中枢の緊張が緩んで甘えた口調がこぼれ出るのです。
一部で囁かれる「単なる重度のマザコンではないか」という疑惑について、臨床心理士のカウンセリング事例を紐解くと、多くは病的な母親への執着ではなく、恋人間でのスキンシップと愛着行動の延長線上にある一時的な甘えであることが大半です。彼らはパートナーに母親を求めているのではなく、「弱音を吐いても見捨てられない確信」を赤ちゃん言葉という無防備なシグナルを通じて試しています。