近年の歴史説の再評価には、エンターテインメント作品が与えた影響も大きい。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のヒットは、複雑な中世政治史に対する視聴者の関心を飛躍的に高めた。従来の勧善懲悪な歴史観を打ち破り、泥臭い政治闘争を描き出したドラマ表現は、若い世代の歴史ファンを大量に創出している。
ドラマ内で描かれた頼朝の冷徹な政治的判断や、合議制を巡るドロドロとした権力闘争。それらはまさに、学術的な研究成果が世の中に浸透していく最高の発信拠点となった。歴史を「過去の暗記対象」から「生々しい人間ドラマ」へと再定義した功績は大きい。