結論から明かすと、「生涯にわたって毛が1本も抜けない猫」は生物学的に実在しません。哺乳類である以上、毛周期(成長期・退行期・休止期)に伴う自然な生え変わりや、新陳代謝による脱落は避けられない生理現象です。
しかし、「抜け毛の量や掃除の負担が一般的な猫と比べて圧倒的に少ない猫」は確実に存在します。その差を生み出している最大の要因は、被毛の構造(ダブルコートかシングルコートか)と、毛根の縮れを生み出す遺伝的変異です。
一般的な猫の多くは、体温調節を担うフワフワした「アンダーコート(下毛)」と、皮膚を守る硬い「オーバーコート(上毛)」の二重構造(ダブルコート)を持っています。春と秋の換毛期に大量の毛が抜け落ちるのは、主にこのアンダーコートが一斉に生え変わるためです。一方、シングルコートの猫種はアンダーコートがほとんど、あるいは全く存在しないため、季節ごとの爆発的な換毛期がなく、日常的な抜け毛の飛散を最小限に抑えられます。