千種駅前で50年以上の歴史を刻んだホテルメルパルク名古屋の閉館は、単一の赤字問題ではなく、日本郵政による全国的なメルパルク売却・撤退方針と施設老朽化への巨額改修リスクが重なった構造的な決断でした。
旧郵便貯金会館として1971年に誕生した同施設は、2000年代以降はワタベウェディング傘下の株式会社メルパルクが運営を受託。宿泊・婚礼・宴会・飲食を兼ね備えた総合型コミュニティホテルとして安定した需要を誇っていました。しかし、2020年代初頭にかけて以下の複合的要因が事業継続を困難にしました。
当時の報道各社や日本郵政の公表資料によると、最大の要因は築年数の経過に伴う耐震・設備改修コストの肥大化です。葵の地で長年稼働してきた建物は大規模修繕の時期を迎えており、さらにコロナ禍によるブライダル・宴会需要の急減が重なり、全国のメルパルク拠点を順次整理・売却するグループ戦略の一環として閉館が決定されました。半世紀の歴史を持つ拠点の幕引きは、多くの地元住民や常連客に深い惜別の念を抱かせました。