最も過酷なのは食物アレルギーによる食生活の制限だ。日本人の食文化の根幹をなす「米」と「小麦」。この両方に激しい反応が出るという現実は、彼の日常から気軽な外食や満足な食事を奪い去った。うどんもラーメンもパンもダメ。白米すら体に拒絶される絶望感は、想像を絶するものがある。
だが、彼は倒れなかった。主食の代わりにアレルゲン除去米や特定の雑穀を導入し、調味料の裏面表示を血眼になって確認する日々。外食時には事前に店舗へ連絡を入れ、微量なコンタミネーション(混入)のリスクまで徹底的に確認する。妥協のないセルフコントロールこそが、彼の身体を陰で支える命綱となっているのだ。