消費者庁や厚生労働省の研究班のデータによると、入浴中の急死者数は年間約1万9,000人にのぼると推計されています。これは交通事故による年間死亡者数を大きく上回る衝撃的な数字です。
事故の多くは高齢者に目立ちますが、20代〜40代の働き盛りや若年層でも「寝落ち」による溺水事故が毎年報告されています。湯船の中で意識を失うことの最大の恐ろしさは、「苦しんで暴れることなく、静かに沈んでいく」という点にあります。
人は意識がある状態で水に溺れると激しく呼吸を求めて暴れますが、気絶した状態では身体の防衛反射が働きません。首が前や横に傾き、鼻や口が水面下に沈んだ瞬間に、水を一気に気道へ吸い込んでしまいます。同居する家族が異変に気づいた時にはすでに手遅れになっているケースが多く、家庭内における最も身近な致死トラップと言えます。