オフロスキーの引退説を検証する上で避けて通れないのが、演者である小林顕作の現在の活動と、舞台演出家としての輝かしい実績です。オフロスキーのパジャマを脱いだ小林は、日本の演劇界・エンターテインメント界を牽引するトップクリエイターの一人です。
小林は劇団「宇宙レコード」の作・演出・主演を務めた後、世界的ダンスカンパニー「コンドルズ」の旗揚げメンバーとして国内外のステージで活躍。その卓越した身体表現とコメディセンス、物語構成力が高く評価され、商業演劇の演出家として破竹の快進撃を遂げました。
特に社会現象となったのが、2.5次元舞台の金字塔である舞台『弱虫ペダル』シリーズの演出です。自転車のハンドルだけを手に持った俳優陣が、舞台上を全力疾走しながら汗を飛ばすという、従来の演劇の常識を覆す演出手法を確立。演劇界に革命を起こし、演劇賞を受賞するなどその手腕は絶賛されました。さらに、舞台『帝一の國』や舞台『パタリロ!』シリーズなど、ナンセンスコメディとエモーショナルな人間ドラマを高次元で融合させる演出において、小林顕作の右に出る者はいません。
2020年代以降も、映画監督、声優、ナレーター、劇伴音楽の作曲までマルチにこなしており、表現者としてのステータスは年々高まっています。つまり、世間が「Eテレのオフロスキー」として認知している姿は、小林顕作という巨大なクリエイターの豊穣な表現領域の「ひとつの重要な柱」に過ぎないのです。多忙であることは事実ですが、小林自身はオフロスキーの役柄に深い愛着を持っており、ライフワークとして現在も最優先で取り組んでいます。