集英社の雑誌で長期にわたり連載された『狼たちへの伝言』は、好景気とポスト冷戦の端境期にあった若者たちを激しく揺さぶった。出版・報道メディアが強烈な熱量を帯び、紙の雑誌が読者の人生観を形作っていた黄金時代のエポックメイキングな連載である。
「男はどう生きるべきか」「群れに埋もれず個として立て」。落合の放つ言葉は、平和ボケと揶揄された社会への痛烈な平手打ちであり、同時に孤独に闘う読者への熱い叱咤激励だった。自己啓発本が溢れる現在において、彼が遺したハードボイルドなメッセージは、むしろ新鮮な渇きを呼び覚ます。