孫正義氏本人が1億円にとどまる一方で、同社は歴史上、日本の産業界を震撼させる巨額報酬を幹部に支払ってきました。ソフトバンクグループ 歴代役員報酬の経緯を振り返ると、後継者候補として招聘されたニケシュ・アローラ元副社長には契約金を含め2年間で約240億円(単年で165億円超)が支払われ、大きな社会的反響を呼びました。
その後も、米スプリントの再建や投資部門を率いたマルセロ・クラウレ元副社長兼COOやロナルド・フィッシャー氏、さらにArmの現CEOであるルネ・ハース氏らに対し、数十億円から十数億円の報酬が開示されてきました。直近の役員報酬一覧を整理すると、孫氏のポジションの特殊性が浮き彫りになります。
このようにソフトバンク 取締役報酬格差が極端に開く背景には、同社が「日本の通信会社」から「グローバルAI投資持株会社」へと変貌を遂げた事実があります。シリコンバレーやロンドンのトップファンドマネージャーやテックエグゼクティブを惹きつけるには、米国の最高水準に匹敵する報酬パッケージが不可欠です。孫氏は自身が1億円に甘んじることで社内の報酬原資を圧迫せず、優秀な外部タレントへ大胆に投資する環境を整えているといえます。