「私たちは彼らを飼い慣らしているわけではありません。山から遊びに来る隣人を迎えているだけです」
そう語るのは、同センターの代表を務める延原利晃氏だ。1967年に先代が野生ザルの餌付けに成功して以来、施設には頑丈な檻も柵も存在しない。朝になると山奥からサルたちが広場へ降りてきて、夕暮れとともに再び自然の森へと帰っていく。人間側が無理な管理をせず、適度な距離感を保ち続けた半世紀の歳月が、サルたちの警戒心を解き、類まれな温厚さを育んだ。
延原氏がサルたちの名前を呼ぶと、一頭一頭が個性豊かな表情で応じる。その光景は、極上のネイチャードキュメンタリーのワンシーンのように静かで美しい。