総会屋・小池隆一事件の深層と現在|第一勧銀と四大証券を呑んだ闇の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

「小池隆一事件」を一言で表すなら、「大手金融機関が自らの弱みを握られ、たった一人の総会屋に言われるがまま巨額の金銭を差し出し続けた前代未聞の汚職・背任劇」です。1997年春、東京地検特捜部による強制捜査によって白日の下に晒されたこの事件は、戦後日本が築き上げた護送船団方式の終焉を決定づけました。

総会屋とは、わずかな株式を保有して株主総会に乗り込み、経営陣のスキャンダルを暴露すると脅して金品を要求したり、逆に企業側から報酬を得て一般株主の発言を封じ込めたりするプロの仕手・圧搾集団を指します。1981年の商法改正によって総会屋への利益供与は厳罰化されていたにもかかわらず、金融界の頂点に君臨する巨大企業群が裏では法律を無視し、小池隆一に対して莫大な資金を流し続けていました。

構図は極めて異様でした。まず第一勧業銀行(第一勧銀)が、小池が実質経営するペーパーカンパニーや親族名義のダミー会社に対し、無担保同然の状態で約460億円もの巨額融資を実行。小池はその資金を使って野村證券、大和証券、日興証券、山一證券の「四大証券」の株式を大量に買い占めました。そして各大手証券会社の大株主という立場を盾に、「総会で騒がれたくなければ利益を出せ」と強要し、株取引の損失補填や不正な利益供与を次々と実行させたのです。