顔面に圧倒的な説得力を与える最短ルートは、人体美術解剖学のロジックを解き明かすことにある。皮膚の下に横たわる頭蓋骨、とりわけ眉弓(眉間の隆起)、頬骨、そして下顎骨の突起が、光を浴びた際にどのような面を形作るか。骨の凹凸を意識した線画は、平面の紙面に強烈な光影を生む。
この骨格美の絶対王者として君臨するのが、漫画家・荒木飛呂彦氏だ。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズで提示される圧倒的な陰影と濃密な輪郭線は、古典的なルネサンス彫刻を彷彿とさせる。頬やアゴの輪郭を単なる「パーツの境界線」としてではなく、立体が空間を切り裂く「エッジ」として力強く描き出す手法は、男の顔線における永遠の金字塔と言える。