官営八幡製鉄所の創業以来、重工業の象徴として日本を支えた北九州工業地帯。かつて公害問題を乗り越え、環境首都としての再生を果たしたこの地域がいま、新たな成長軌道を描いている。
契機となったのは、九州全域に波及する半導体バブルとグリーンイノベーションだ。洋上風力発電の拠点化や公害克服のノウハウを生かしたリサイクル産業、さらには半導体製造装置の供給網として、北九州は単なる「公害を克服した古豪」から「脱炭素社会の先進集積地」へと脱皮を果たした。工業地帯ランキングの数値には表れにくい「産業の質的転換」が、この地で最も力強く進行している。