2009年8月2日夕刻。舞台となったのは、政財界人や著名人が集う都内屈指のセレブ空間、六本木ヒルズレジデンスの一室だった。知人名義の部屋で、押尾は銀座の高級クラブに勤務していた女性と密会。そこで合成麻薬MDMAを共に摂取したとされる。
異変は急激に訪れた。女性の容態が急変し、激しい痙攣と意識障害を発症。部屋の中には二人きり。本来であれば直ちに119番通報を行い、救急医療を求めるべき局面だった。しかし、通報がなされることはなかった。パニックに陥った押尾が取った行動は、自身のマネージャーや知人を呼び出すこと、そして現場から立ち去ることだった。
通報を受けて駆けつけた救急隊と警視庁の捜査員が目にしたのは、すでに心肺停止状態となった女性の遺体だった。現場に残された痕跡から薬物使用の疑いが浮上し、事態は急速に動き出す。翌日、押尾は麻薬取締法違反容疑で逮捕された。